
中国デジタル人民元、発行まもなく?中央銀行デジタル通貨(CBDC)テスト段階へ
中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)のデジタル人民が発行に向けてすでにテスト段階に入っているようです。中国の大手SNSプラットフォームWechatに4月14日、モバイルアプリの写真が投稿されたことから、発行が近日に迫っていると予想されています。4月16日、米Forbesが伝えました。
PBoC中央銀行デジタル通貨向けのテストインターフェイス
中国の4つの大手国営銀行の1つである中国農業銀行(ABC)は、中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)のテストインターフェースを試行しているようです。ABCによって開発されたモバイルアプリケーションのスクリーンショットが、4月14日、中国のSNSプラットフォームWeChatで公開されました。
グローバルフィアットバイナンスのM&Aエグゼクティブディレクターであるリン・チャン氏のツイッターによると「テスト用のウォレットアプリがダウンロードできるようです。シンセン、成都、蘇州、Xionganを含む4つの都市が最初に使用可能エリアです」と解説されています。この4つ目の雄安新区(Xiongan New Area)は、国家主席習近平氏が2017年から開発を促進しているハイテク企業が集まる地域で、最新のビジネス開発エリアとして特に注目されています。
Seems that testing wallet app is available for download. 4 cities will be available for the trial to begin with, including Shenzhen, Chengdu, Suzhou and Xiongan. Interesting that Xiongan, the newly state-level new area is one the first batch of the trails cities. #DC/EP pic.twitter.com/960poROFIo
— Ling Zhang (@lingzh1220) April 14, 2020
中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元」が近く実用化
中国の国営銀行ら4社が開発を進めているデジタル通貨「デジタル人民元」の一般実用化に先駆け、蘇州市の公務員の交通費の50%をデジタル人民元にて支払う計画があることを明らかにしました。中国のニュースメディア「科创板日报」が伝えたところによると、公的機関によるデジタルウォレットの配布により、職員には5月から交通費の支払いに充てると説明されています。実用化が始まる蘇州市は、デジタル通貨電子決済(DCEP)のパイロット地域として指定されている都市です。
中国農業銀行の開発したテストアプリケーションは、同行のウェブサイトからダウンロード可能。iOSとAndroidに対応し、QRコードを使った決済、送金や受金など、デジタル人民元用ウォレットが搭載するファンクションを見ることができます。
デジタル人民元プロジェクトにはAliPayも参加
中国の中央銀行デジタル通貨となる「デジタル人民元」プロジェクトには、中国大手の決済サービス「AliPay(アリペイ)」も参加しているといいます。ニュースメディア「科创板日报」の記事によると、2020年2月21日、同社は、特許デジタル通貨取引実行方法とデバイスと電子機器登録を申請。特許申請により、AliPayは中央銀行によって認可された、商業銀行やデジタル通貨を発行する権利を持つ第三者の支払い機関としてサービスを提供することができます。
加速する中国のブロックチェーン!国家主導ネットワークBSNローンチへ
国家プロジェクトのブロックチェーンプラットフォーム「Blockchain-based Service Network(BSN)」が、4月25日にローンチされていることが明らかになりました。これは、中国企業が迅速で低コストによるブロックチェーン技術を取り入れられるために進められています。BSNは、ブロックチェーンプロトコルではなく、複数のパブリックチェーンやエンタープライズブロックチェーンからチョイスを可能にする中央集権型です。開発関係者は、イーサリアム(ETH)やイオス(EOS)のプロトコルを統合する計画も示唆しているようです。開発グループはホワイトペーパーの中で、現段階ではブロックチェーン開発や運用に多大な費用がかかることを指摘。事業体が参入しやすいインフラを構築することが先決と述べています。