TRON

トロン(TRON/TRX)はどのような特徴をもった仮想通貨?

エンターテインメントに特化した仮想通貨トロン(TRON/TRX)が、サイドチェーン・ソリューション・ネットワークである「サン・ネットワーク・バージョン1.0」を発表しました。トロンのブロックチェーン上にあるスケーラビリティ問題を解決してくれる画期的なプロジェクトとされています。そもそもトロントはどのような仮想通貨なのでしょう?具体的に見ていきます。

仮想通貨トロン(TRON/TRX)とは?

トロンは、クリエイターとユーザーのやり取りをスムーズにすることを目的とした仮想通貨です。クリエイターがユーザーにコンテンツを配信するには仲介(ツイッターやYouTubeなど)を通さなければなりません。その際は手数料(チャンネル料)が発生してしまいます。ですが、トロンは、ブロックチェーンと分散ストレージ技術を用いてトランザクションの手数料のかからないコンテンツ配信システムを構築しています。

トロンで活躍する技術者たちはブロックチェーン技術の経験が豊富にあり、グーグルマイクロソフトアリババ、テンセント、そしてバイドゥなどの大手企業で活躍した人たちばかりです。本社は北京とサンフランシスコに置き、そのほかの400もの地域と国々にもオフィスを構え、多くの従業員に国際的な仕事に携わる機会を提供しています。

2018年7月24日、トロンはインターネット会社のビットトレント(BitTorrent)を買収し、さらなる分散型エコシステムの追求にむけてリーダーシップのある活動をしています。ビットトレントは「サン・ネットワーク・バージョン1.0」の分散型技術をデザインしました。その技術は、スケーラビリティ問題への高い対応力があり、クリエーターと消費者がコンテンツとデーターをコントロールできるようにしてくれます。毎月、17万以上の人々がビットトレント製品を使用しています。今では、ビットトレントのプロトコルが世界のインターネット流通量の40%を作動させています(「サン・ネットワーク・バージョン1.0」については『究極のスケーラビリティソリューションプロジェクト「サン・ネットワーク・バージョン1.0」』の項目で詳しく説明します)。

仮想通貨トロン(TRON)

設立 2017年7月(シンガポール)
創設者 シャスティン・サン(Justin Sun)
開発チーム TRON財団(非営利団体)
コンセンサスアルゴリズム デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク(DPoS※1)
発行枚数 1000億枚
時価総額 12位(2019年8月20日現在)

※1アルゴリズムの1つであるPoSの進化系で、コインの保有量によって投票者を決め、一番多く保有している人物によって選ばれた人が承認を行う民主的なシステム。

2100万枚のビットコインに比べるとはるかに多い発行部数です。

シャスティン・サン(Justin Sun)

ジャスティン・サン氏

トロンは、中国人のサン氏が2017年に開発しました。サン氏は2011年に北京大学を卒業、2013年にはペンシルバニア大学で修士号を取得し、中国で、音楽ストリーミングサービスであるPeiwoを創業しました。あの人気仮想通貨のリップル(XRP)の開発にも関わっています。そして、2019年5月には中国版アマゾンのアリババの創業者の馬雲(ば・うん)が設立したHupan大学を卒業し、最初の一期生となりました。

ロードマップ

トロンのロードマップ2

2017年7月        シンガポールでトロン財団設立
2017年11月      トロンのオープンソースが開始
2018年3月31日 テストネットを開始
2018年5月        メインネットを開始(オディッセイ2.0はトロンの技術的なマイルストーン)
2018年6月25日 トロンの独立記念日(ジェネシスブロック※2が創生)    ※2ブロックチェーンの最初のブロックのこと
2018年7月24日 インターネット会社のビットトレントを買収、そこで開発されたプロジェクトとトロンのエコシステムを統合
2018年8月23日 トロンの27人の代表者が決定
2018年8月30日 トロン仮想マシーン(TVM)を発表
2018年10月      トロン分散型アプリケーションストア、ダップハウスが設立
2019年       世界最大のDAPP、アトラスプロジェクトを開始
2019年1月17日 トロンがniTROn サミットを開催
2019年1月28日 バイナンス取引所で、14分41秒の速さでビットトレントのクラウドファウジングが終了

トロンの特徴

  • 高い情報処理量
    トロンの高い情報処理量ビットコインイサーリアムよりも優れているとされています。1日に2Mトランザクションを行い、700K以上のトロンアカウントをまかない、2000TPS※3を超えています。
  • スケーラビリティへの高い対応力
    トロンのアプリケーションはスケーラビリティ問題解決力とより効果的なスマートコントラクトのおかげで、広くさまざまな手段を実装しています。優れたデーターベースの構造とアカウントシステムの併用は複雑なデザインとモデルの実現化を可能にしてくれます。
  • 実用性の高さ
    トロンは、分散化型コンセンサスメカニズムと報酬の分配システムを構築、改善することを目的としています。信頼あるネットワーク構造ユーザーの資産、そして本質的な価値は、分散型にさらなる高いグレードをもたらし、PoW※4を採用している通貨より大きなエネルギーを発揮するメカニズムになると期待されています。
  • 低コストの実現
    トロンは計算処理をする際にかかるコストを低く抑え、トロン上で利用するアプリの多様性を可能にしてくれるユーザーに優しいシステムです。
    ※3 Transactions Per Secondの略で、トランザクション毎秒。トランザクション処理を毎秒何件実行できるかを表わしている。
    ※4 Proof of Workの略で、コンセンサスアルゴリズムの1つ。ビットコイン(BTC)はこれを採用している。

メインネットへ移行

トロンメインネット移行

2018年6月21日から25日(北京時間)にかけて、トロンはイーサリアムのERC20トークンからメインネット※5へ移行しました。手数料を減らし、スケーラビリティ問題への柔軟な対応を目的としています。万が一、投資家がトロンのメインネット移行を見逃してしまったとしても、仮想通貨取引所でトークンを交換することができます。交換できる取引所はバイナンス(Binance)、ゲート(Gate.io)、そしてクーコイン(Kucoin)です。
※5 独立したブロックチェーンのこと

2018年3月31日、メインネットをスタートさせた際、トロン財団は、一緒にトロン・バグ・バウンティ・プログラム(TRON Bug Bounty Progoram)もスタートさせました。それは、メインネットのセキュリティの脆弱性を見つけることを目的としたものです。安全で安定したインフラを提供し、メインネットにDAppsを実装させます。メインネットにある欠陥を見つけた人には、米ドルで10000万ドルの報酬が与えられることになっています。

トロンのバーン

また、2018年11月1日、トロン財団はメインネットへ移行することで、ERC20トークンを基盤にしたトロン(TRX)を少しずつバーンしました。バーンした枚数は、99,188,397,993,45枚で、発行部数の約99.19%になります。

提携している取引所

取引所
提携している取引所は70以上にものぼります。それだけ期待されている仮想通貨なのでしょう。すごいですね!

トロンに浮上した過去の疑惑

以下の詐欺疑惑が浮上しました。

  1. 開発者サン氏によるトロン売却疑惑
    2018年1月5日、インターネット掲示板Redditに「サン氏が保有している60億TRX分のトロンを売った?」といった投稿がありました。ですが、サン氏は翌日、自分のツイッターで、Redditのアカウントが自分のものでもトロン財団のものでもないことを言及しています。https://twitter.com/justinsuntron/status/949578655839039489?ref_src=twsrc%5Etfw

    「Redditのアカウントは僕のアカウントでもトロン財団のアカウントでもありません。私たちの個人的な投資家と市場メーカーによるものです。次のアドレス@GeminiDotComにはアカウントがありません。市場メーカーはトロンの決済を取引したり、増やすためにアカウントを作っているのであって、トロンを売るためにアカウントを持っているのではないのです」

  2. ホワイトペーパーの盗作疑惑
    売却疑惑があった同月、トロンは、ホワイトペーパーの内容が、ファルコイン(Falcoin)と呼ばれる仮想通貨とほとんど同じで、「盗作」ではないかといった記事が出ました。これに対し、サン氏は、「原本は中国語で書かれていて、英語版のホワイトペーパーはボランティアによって翻訳されたもの。参照元の記載漏れが原因」と言及しています。
  3. 開発コードが未完成疑惑
    上記の2つの疑惑が浮上するおよそ1年前の2017年12月、Githubでトロンのソースコードが公開されました。ですが、そのコードを検証した一部から、トロンの開発コードが未完成ではないかといった疑惑が出ました。トロンは 2027年までの間にいくつかのアップデートを予定しています(詳しくは、今後のトロンの項目で述べます)。そういった点から、開発の途中であることを考えると、やみくもに「疑惑」と決めつけるのはどうかと言えそうです。

究極のスケーラビリティソリューションプロジェクトサン・ネットワーク・バージョン1.0(the Sun Network Version 1.0」

トロンは2019年8月、サイドチェーン・ソリューション・ネットワークである「サン・ネットワーク・バージョン1.0(the Sun Network Version 1.0」を公開しました。これはトロンのメインネットの容量拡大を確約する、最初のスケーラビリティ問題解決版です。また、「サン・ネットワーク・バージョン1.0」は、クロスチェーンの伝達やアプリケーションサイドチェーンを最適化したスマートコントラクトやDAppsチェーンといったような複数のプロジェクトを統合し、スケーラビリティ問題上にある100もの解決策をユーザーに提供します。これに加え、開発者たちが、サイドチェーンに分散型アプリケーションを採用することも手助けしてくれます。

サン氏は自分のツイッターで次のように発表しています。

「サン・ネットワークのDAppsチェーンコードは、トロンのメインネットにあるスケーラビリティ問題を無条件に解決してくれる能力を持っているサイドチェーンです。それは、DAppsがトロン上で稼働する際のエネルギーの消費を抑え、高いセキュリテイーと能率の良さを示すものなのです」

「サン・ネットワーク・バージョン1.0」の2つの重要な特質

    • 少ないトランザクション手数料で、スマートコントラクトがネットワークに合意できるようにサポートします。そしてそれは、ユーザーがメインネットで発生するスマートコントラクトトランザクションのTPS(トランザクション毎秒)に注目することで達成されます。
    • サイドチェーンを通して、サン・ネットワークは、トランザクション承認の速度や、トランザクション比率、そして備え付けたサイドチェーンの報奨金といった、ユーザーのさまざまな要求に応えます。

つまり、DAppsのエネルギー消費量を抑え、高いセキュリティと実用性を打ち出す「サン・ネットワーク・バージョン1.0」は、これまでにないカスタマイズ化されたサポートをユーザーに提供するのです。

今後のトロン

トロンは2027年まで以下のアップデートを予定しています。

第1段階 エクソダス(Exudos) 2017年8月~2018年12月…分散型コンテンツでのデーターのアップロードや保存
第2段階 オデッセイ(Odyssey) 2019年1月~2020年6月…クリエイターの報酬取得
第3段階 グレートボヤージュ(Great Voyage) 2020年7月~2021年7月…配当の支払いやサポーター管理問題を解決
第4段階 アポロ(Apollo) 2021年8月~2023年3月…クリエイターが独自のトークンを発行
第5段階 スタートレック(Star Trek) 2023年4月~2025年9月…オンラインゲームを提供するプラットフォームの構築
第6段階 エタニティ(Eternity) 2025年9月~2027年9月…開発資金の収集

上記を見てわかるように、約10年かかるとされていますが、全てのアップデートが終了すれば、ユーザーが自由にコンテンツやゲームを作れるようになることを想定しています。

まとめ

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トロンはスケーラビリティ問題に対応できるブロックチェーンソリューションであり、従来のブロックチェーンネットワークを用いると同時に、革新的な方法を取り入れています。また、ユーザーがトロンのネットワークに気軽に参加し、収益をえることも目的としています。このように、トロンは共同体が分散的で民主的なネットーワークを作り出すことを可能にしてくれる将来有望な仮想通貨なのです。

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