
Nestle(ネスレ)、ブロックチェーン技術で乳製品の追跡システム!
大手食品会社のネスル(Nestle)は、デジタルトランスフォメ―ションの一環としてブロックチェーンテクノロジーを駆使した乳製品の追跡ができるシステムを開発中と、7月2日自社のウェブサイトでプレスリリースしました。
ネスレのブロックチェーンテクノロジーへの取り組み
この1年で、Walmart(ウォルマート)やBumble Bee Foods(バンブルビーフーズ)などの多くの主流企業がブロックチェーンの世界に飛び込み、それぞれのサプライチェーンを改善するための技術を構築してきました。世界的な食品大手のネスレも現在、乳製品サプライチェーンを強化するために公共のブロックチェーン技術を活かしたシステム開発に乗り出しています。
ネスレは、OpenSCとのコラボレーションによって、すべての消費者が自分の食べ物を農場まで追跡できる革新的なブロックチェーンプラットフォームの開発に着手します。同社はオープンブロックチェーン技術を食品分野で試験的に導入することを発表した最初の大手食品飲料企業となりました。
提携を結んだOpenSCは、WWFオーストラリアとボストンコンサルティンググループのデジタルベンチャーズによって設立された企業です。世界のどこからでも個人レベルで検証ができるサプライチェーンデータへのアクセスを可能にするプラットフォームを開発しています。
Find out where your food comes from! Nestlé will break new ground by piloting open blockchain tech that allows you trace food back to the farm. More here: https://t.co/7CC2ENMFb7 #ResponsibleSourcing *GoodLife pic.twitter.com/GrtDbFHyBC
— Nestlé (@Nestle) July 2, 2019
ネスレが発表したブロックチェーン技術パイロットプログラムとは
今回最初のパイロットプログラムとして採用されるシステムでは、ニュージーランドの農場や生産者から中東のネスレの工場や倉庫までの牛乳を追跡します。その後、アメリカで供給されているパーム油の技術がテストが施行される予定です。パイロット実施は、システムのスケーラビリティを理解するために欠かせないデータ収集となります。
カルフールとの提携によるIBMブッロクチェーン基盤の追跡システム
ネスレは今年4月に小売り食品会社カルフールとのコラボレーションにより、IBMブロックチェーン基盤を活用した食品トラッキングシステムをパイロット始動しています。フランスの即席マッシュポテトメーカー「Mousline」の、ポテトの種類、製造された日時や場所、店頭に並ぶまでの保存期間についてサプライチェーン情報を知ることができます。消費者はポテトに付帯されたQRコードをスキャンすることでこれらの情報を入手できるシステムが実装される予定です。
パブリックブロックチェーンへの移行
今回発表のシステムにはOpenSCの提携によりパブリックチェーンにこだわった開発が行われています。これまでにパイロットテストで使用したIBMブロックチェーン基盤とは少し異なるアプローチになると、ネスレのBlockchain Lead and Digital Transformation のマネージャーを務めるBenjamin Dubois(ベンジャミン・デュボア)氏は話しています。
同氏はこの度のプロジェクトに関し「現在IBMブロックチェーン基盤をソリューションとして起用の場合、コンソーシアムに介入しなくてはなりません。パブリックチェーンを起用するメリットは、個人レベルでソリューションを管理できるという容易さです。最終目標は、他のシステムを淘汰させることではなく、個人がフードトラストを判断できる基準を構築することなのです。OpenSCのプラットフォームは、様々なブロックチェーンシステムと連携でき、多方面において生活を向上するためのシステム改革に役立つと考えています。」とまとめています。