
国内大手取引所コインチェック(Coincheck)、セキュリティ面を強化し、そのわかりやすいデザイン性で再び人気が上昇中!
ビットコイン取引高が日本一の仮想通貨取引所のコインチェック。2018年1月にはハッキング被害があり、営業を停止していた時期もありましたが、その後、セキュリティ面を強化して同年10月に再開、2019年月1月には金融庁から正式に認可を受けました。
そして2019年6月5日には「Monacoin(MONA)」の取り扱いもスタートしています。
人気が再浮上しているコインチェックにスポットライトを当てます!
コインチェック(Coincheck)の基本情報
サービス名 コインチェック(Coincheck)
運営会社: コインチェック株式会社(Coincheck, Inc.)
住所: 本社 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-28-13渋谷新南口ビル3F
道玄坂オフィス 〒150-0044 東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー12F
代表取締役: 勝屋敏彦
資本金: 1億円
設立: 2012年8月28日
登録番号: 関東財務局長 第00014号
加入団体: 一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)
一般社団法人 日本ブロックチェーン協会
一般社団法人 日本仮想通貨ビジネス協会
一般社団法人 FinTech協会
特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会
コインチェック特徴
- ビギナー向けのシンプルなデザインと使いやすいスマホアプリ
- 取扱通貨が国内最多の10銘柄
- 安心、安全なセキュリティ
- 販売所形式の傾向が強い
- 手数料がどちらかといえば高い
- 取引所での対応通貨はビットコインのみ
ビギナー向けのシンプルなデザインと使いやすいスマホアプリ
コインチェックのアプリは、シンプルで見やすいデザインになっています。公式サイトのホーム画面だけで新規登録をし、最短5分で申し込みが完了します。またダウンロード数が230万を越えました。購入方法も、⑴通貨を選び、⑵購入金額を入力し、⑶ボタンをタップする…の簡単ステップです。通貨の価格もアプリ画面のウィジット機能ですぐにチェックができ、価格変動のお知らせ機能もついています。
コインチェックアプリの便器な機能
・仮想通貨の現物取引
・レートの確認
・チャットの確認
・日本円の入金と出金
・ウィジット設定 など
取扱通貨が国内最多の10種類
・ビットコイン(BTC)
・イーサリアム(ETH)
・イーサリアムクラシック(ETC)
・リスク(LSK)
・ファクトム(FCT)
・リップル(XRP)
・ネム(XEM)
・ライトコイン(LTC)
・ビットコインキャッシュ(BCH)
・モナコイン(MONA)
世界的に有名な通貨を取扱っていて、国内取引所にはないものばかりです。
安心、安全なセキュリティ
- ユーザーからの預かり金は経営資金とは完全に分離して保管しています。
- ユーザーのパスワードはハッシュ化されているので、平文で保存されることはありません。
- セキュリティの認証強化にSMS、2段階認証※1を採用しているので、第三者が簡単にアクセスすることができません。
- オフネットの状態で資産を保管している(マルチシング・コールドウォレット)のでクオリティの高い防犯力があります。
※1 メールアドレスとパスワードを使用した登録の他に、別のパスワードを利用して認証を行うシステムのこと。30秒で切り替わるため、セキュリティーをハイレベルに維持できる。
販売所形式の傾向が強い
仮想通貨を取り扱っているのは、主に取引所と販売所です。両方とも特徴があり、どちらを選んでも仮想通貨の売買はできますが、ビギナー向けなのは販売所です。販売所は運営会社が仮想通貨を保有しているので、買いたいユーザーは購入したい通貨の金額を入力するだけで簡単に買うことができます。
手数料がどちらかといえば高価
手軽に素早く購入できる販売所ですが、難点もあります。取引所に比べると手数料が高めに設定されているのです。販売所の傾向が高いコインチェックでは、アルトコイン※2は販売所による現物取引※3での取扱いになります。ビットコイン(BTC)のみを取引所で取り扱っています。
※2 イーサリアムやリップルなどのコインのこと
※3 投資商品を実際に売り買いすること。仮想通貨業界では購入した仮想通貨を送金したり売却したりすることを指す。
コインチェックの手数料
- 現物取引手数料
販売所 | 取引所 | |
ビットコイン | 無料 | 無料 |
アルトコイン | 無料 | 無料 |
また、販売所には、“スプレッド”と呼ばれる実質的に見えない手数料があり、通貨の売買と買値の価格差をユーザーから徴収しています。
- FX取引手数料
レバレッジ取引※4をするときにかかる手数料です。こちらでもコインチェックではビットコインのみFX取引をすることができます。
種類 | |
買い | 約定額(円)×0.04% |
売り | 約定量(BTC)×0.05% |
※4 日本語訳で「てこ取引」の意味。少額の資金(元金)で、何倍ものお金を動かす取引のこと。2019年6月現在は、レバレッジ取引は停止中です。
- 日本円の入金手数料
コインチェックの口座に現金を入金する時にかかる手数料です。
入金方法 | 手数料 |
銀行振込(日本円) | 無料(振込手数料は自己負担) |
銀行振込(米ドル) 25ドル | 25ドル |
コンビニ入金、クイック入金(3万円未満) | 756円 |
コンビニ入金、クイック入金(3万円以上50万円未満) | 1000円 |
コンビニ入金、クイック入金(50万円以上) | 入金金額×0.108%+486円 |
クレジットカード | その時のレートと売り注文の量をもとに算出 |
通常の場合は手数料がかかりません。コンビニ入金やクイック入金、クレジットカード入金は24時間いつでも入金できますが、手数料が高いです。また高速入金ができるのはビットコインのみとなっています。
- 日本円の出金手数料
仮想通貨を日本円に替えてコインチェックの口座から銀行口座に現金を「出金」する時にかかる手数料のことです。
種類 | 手数料 |
日本円 | 400円 |
- 仮想通貨の入金手数料
仮想通貨を「通常」で受け取る場合は無料になりますが、「高速」になると手数料がかかります。
通常の場合…無料 |
高速…0.02BTC |
- 仮想通貨の送金手数料
コインチェックの口座から他の仮想通貨口座へ送金する際にかかる手数料です。こちらの送金手数料はコインチェックではなく、マイナーに支払われる手数料になります。コインチェックのユーザー同士では送金手数料はかかりません。
ビットコイン | 0.001BTC |
ビットコインキャッシュ | 0.001BCH |
XRP | 0.15XRP |
イーサリアム | 0.01ETH |
イーサリアムクラシック | 0.01ETC |
ネム | 0.5XEM |
ライトコイン | 0.001LTC |
リスク | 0.1LSK |
ファクトム | 0.1FCT |
モナコイン | 0.001MONA |
コインチェックで手数料を抑えるコツとして、特別な事情がない限り①銀行で入出金する、②日本円での出金・送金は控える、③ビットコインの取引は販売所ではなく取引所を利用する、④コインチェックユーザー同士で送金をする…といった策をとりましょう。
2018年1月ハッキング事件
2018年1月に発生した仮想通貨ネム(XEM)のハッキング事件は、2014年のマウントゴックス事件よりさらに大きな被害額を出した過去最大の大流出事件です。
2018年1月26日午前2時57分頃、約580億円(5億2300万XEM)ものネムが盗まれました。ですがコインチェック側が気づいたのが同日午前11時25分頃……およそ8時間以上も放置されていたことになります。午後4時すぎには日本円を含む全ての通貨出金やビットコイン以外の全ての通貨の売買も一時停止しました。
引用元:日本経済新聞
原因としては、秘密鍵が複数でなかったことと、仮想通貨の管理をオンライン上で行なっていたことがハッキングされた原因ではないかとされています。
ネムの保管にマルチシグを採用していなかった
まず、マルチシグの簡単な説明です。
マルチシグとは、「マルチシグネチャー/multisignature」の略で仮想通貨の送金に複数の秘密鍵を必要とする技術のことです。つまり、1つ(シングルシグ)の鍵だけでは盗まれる要素が高いので、鍵を複数使用することで、しっかりと安全に仮想通貨を保管することができるというシステムです。
仮想通貨は『公開鍵』と『秘密鍵』のが必要です。『公開鍵』はその名の通り、誰もが見ることができる『鍵』です。仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンはオープンソースなので、この『公開』は必然であり、「誰が誰に仮想通貨を送金したか」を確認することができます。ですが、その送金を行うにはもうつの鍵である『秘密鍵』が必要です。その秘密鍵を当時のコインチェックはまだシングルシグを採用していました。マルチシグは導入の最中で、ビットコインだけがマルシチグ対応でした……。
コールドウォレットに対応していなかった
仮想通貨はウォレットという場所で秘密鍵を保管しますが、ウォレットにはオンライン上で管理する『ホットウォレット』とオフライン上で管理する『コールドウォレット』の2種類があります。後者のコールドウォレットは、ネットワークから離れた状態なのでセキィリティが高く、コインチェックでもビットコインとイーサリアム (ETH)はコールドウォレット対応でしたが、ネムはホットウォレットで保管されていました。
当時は過去最大の仮想通貨流出事件として、大きくメディアに取り上げられ先行きが見えない状況でしたが、事件発生同年の4月に大手のマネックスグループが買収すると、コインチェックはネムを保有していた約26万人に総額約460億円を返金しました。
事件が起きてからたった3ヶ月で迅速な対応をしたコインチェックはその後の評判が良く、次々と仮想通貨の取り扱いを再開しています。
事件発生後のコインチェックの経緯
2018/4/6 | マネックスグループがコインチェックを買収 |
2018/5/18 | 匿名通貨の取り扱いが廃止 |
2018/6/7 | ネムの出金、売却が再開 |
2018/10/30 | 新規口座開設、ビットコインキャッシュの入金、購入が再開 |
2018/11/26 | XRPの入金、購入が再開 |
2019/1/19 | 金融庁の認可される |
2019/4/17 | コンビニ入金、クイック入金が再開 |
コインチェックの口座開設の方法
① アカウント登録
公式サイトから
- メールアドレス
- パスワード
を入力します。パスワードは半角英数と数字を混ぜたものを選びましょう。
入力が終わったら「アカウント作成」ボタンを押します。
入力したメールアドレスにコインチェックからメールが届きます。そこに書かれたURLをクリックします。
ブラウザの画面がかわり、アカウント登録の手続きの完了です。Facebookでも登録できます。
② SMS認証/電話番号認証
本人確認として、携帯電話の認証確認をします。
コインチェックのアカウントでログインします。「本人確認書類を提出する」を押します。
サイトに表示される欄に、アカウントを登録した携帯電話番号を入力します。
「SMSを送信する」を押します。携帯電話番号にSMS(ショートメッセージ)が届き、6桁の「認証コード」が届きます。このコードをコインチェックサイト画面の「送信された認証コード」に入力すれば、SMS認証が完了です。
③ 本人確認書類のアップロード
氏名、性別、生年月日、自宅住所などを登録し、本人確認書類のアップロードを行います。
1. 運転免許証、パスポートなどの顔写真付きの身分証明書を準備する
2. IDセルフィー※5を行う
※5 本人確認書類と本人の顔を1枚の画像に収まるように撮影すること
3. IDセルフィーも続けてアップロードします。
IDセルフィーで使用した本人確認資料の表面画像と裏面画像の提出も必要になります。
すべてが終了すると、住所確認として、コインチェックから登録住所へ簡易書留ではがきが送られてきます。
注意:アカウントがあれば入金して仮想通貨の購入や売買はできますが、日本円の出金・送金はできません。本人確認の手続きが必要になります。
その他の関連サービス
Coincheck Lending(貸仮想通貨)
ユーザーの仮想通貨をコインチェックに貸し付けできるサービスです。コインチェックが一定期間預かった同じ量の仮想通貨を、契約満了後に返すサービスです。また一定の料率で計算した利用料をユーザーに支払うこともできます。つまり、銀行のように、コインチェックに仮想通貨を預けることで利息が増えるといったようなシステムです。自分で取引をしなくても通貨を預けておくだけで利益がでるので「新しい資産運用法」として注目されています。
貸出期間は4期間から選択できます。
-
- ・年率1.0%(14日)
-
- ・年率2.0%(30日)
-
- ・年率3.0%(90日)
- ・年率5.0%(1年)
Coincheck Lending(貸仮想通貨)の利用は10万円以上からになっています。
将来的にビットコインだけでなく、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ファクトム(FCT)等の貸付も準備中です。
注意:こちらのサービスを利用する際は、ユーザーとコインチェックで消費貸借契約を締結する必要があります。
Coincheckでんき
電気料金の支払いでビットコインがもらえ、使えるサービスです。料金の1~7%がビットコインとして貯まり、また電気代の1~7%が通常より割引されます。今後は国内外問わず、実績のある電力会社と提携し、日本全国すべてのエリアに電気を供給する予定です。
Coincheck Payment
ビットコインで決済ができるシステムです。
コインチェックの決済システムを取り入れるメリットは以下の点があります。
・導入のリスクがない
iPhoneやiPadでお店への導入が可能です。手数料もクレジットカードより安いです。
・登録が簡単にすむ
メールアドレスと電話番号があれば10分で登録ができます。
・初期投資がかからない
初期費用や基本利用料が無料です。
・簡単に操作ができる
アプリ画面が見やすいので、スムーズに決済ができます。
・グローバルな視点からの対応
ビットコインの利用者が多い海外でのコインチェック活用が期待されています。
・価格変動にも対応
10分間、レートが固定するので仮に価格が動いても大丈夫です。
モナコイン(Monacoin/MONA)の取扱いがスタート!
2019年6月5日にモナコインの取り扱いが始まりました。WebやiOS、Androidで入出金、売買を利用することが可能です。
簡単にモナコインを説明します。
モナコインは、2014年1月1日に日本の2チャンネル※5 から生まれた日本初の仮想通貨です。ライトコイン(Litecoin)をベースに開発されました。大きなファンコミュニティが存在して、ファンが多く人気の高い仮想通貨です。
※5 高いアクセス数を誇る日本の電磁掲示板のこと
通貨名 モナコイン(MONA)
公開日 2014年1月1日
発行上限数 1億512万枚
公式サイト http://monacoin.org/
モナコインの特徴
・ライトコインを基盤としたシステム
・世界で初めてsegwit※6 を導入
・ビットコインとのアトミックスワップ※7を可能
・ファンコミュニティが発達している
・実用性が高い
・システムがしっかりしている
・技術的革新性があまりない
・海外での知名度が低い
※6 ブロックチェーンに記録されるデータサイズを圧縮する方法のこと。これにより、1ブロックの容量を増やすことができる。スケーラビリティ問題解決策の1つ。
※7 異なる仮想通貨を、ユーザー同士で交換できる仕組みのこと。取引所という第三者を必要としないで、移動中にハッキング被害にあう可能性が少なくなる。
モナコインは……
国内で誕生し、特定のコミュニティで発達したこともあり、海外での知名度は低いとされています。が、しっかりと支えてくれるファン層が存在する以上、すぐになくなる可能性は低いです。実用性も高く、国内の実店舗(秋葉原など)でモナコイン決済を取り入れています。
モナコインが利用できるお店
- 「プリモプリマ」(メイドカフェ)
- 「Ark」(メイドカフェ)
- 「ビットコインモール」(ショッピングサイト)
- 「Monappy」(モナコインのポータルサイト)
コインチェック上場により、ライブ配信サービスの「ツイキャスト」でも送金が可能になりました。今後のモナコインの価格上昇が期待されています。
まとめ
2018年1月のハッキング被害で、一度はマイナスイメージを持たれてしまったコインチェックですが、FX大手企業のマネックスグループが運営に乗り出して資産とノウハウを取得すると、強固なセキュリティを構築しています。2019年6月には、クラウド監視を手がける米会社のSumo Logicを採用し、システムログの監視システムを刷新しています。
日本円で直接購入ができる唯一の国内取引所であるコインチェックは、その親しみやすいデザイン性で今後もユーザー数が増える仮想通貨取引所といえます。