
仮想通貨の税金申告漏れ続出!国税庁もチーム体制で取り締まり強化へ
全国の仮想通貨取引に関連する業務を営む業者30社で、増額100億円の申告漏れを国税庁に指摘されていたことが明らかになりました。6月5日、朝日新聞が伝えています。
全国で仮想通貨関連の税金申告洩れ続出!
関係者の調べによると、都内で仮想通貨の換金代行業を営んでいる事業主が2018年5月までの1年間で約2億円の所得隠しがあるとして国税庁に指摘を受けています。この業者は、資金決算法に義務付けられた方法で登録をしておらずブローカーやソーシャルメディアを通して資金を調達していました。換金代行費用として手数料を得て利益を挙げていたようです。同社の代表は「取引業者を通じて売買をすると記録が残ることを避けるため、手数料を払ってでも代行に頼る顧客が多くいた」と話しています。
このような業者の例は少なくなく、全国で30社50人に及ぶ同様の税金申告漏れが指摘されており、総額は100億円にも上ることが分かっています。東京国税庁の電子商取引部門は、調査にあたり2018年顧客取引データの分析をし、多額の利益を得ている個人や法人合わせて80件を今回、税金申告漏れとしてピックアップしていました。申告漏れ100億円の内の70億円は親せきや知人名で口座取引が行われ、売却益を工作した所得隠しとして指摘を受けています。悪質なケースは脱税容疑で告発の可能性もあるということです。
国内での仮想通貨取引量2年間で700倍以上!
日本の仮想通貨交換業協会が調べたところによると、2017年度の仮想通貨売買による取引総額は69兆1465億円で、2年前と比較するとなんと780倍にも増加しているようです。仮想通貨取引での利益は「雑所得」に匹敵しサラーリーマンなどでは年間20万円以上の所得には、確定申告が必要ですがネット上の取引によって実体が表面化しにくく、税務申告を怠っているケースがほとんどです。
国税庁、専門チーム編成でネット収益の申告漏れ対策へ
国税当局は、平成31年度の改正国税通則法によって取引額や顧客指名などを国税局が民間事業者に照会できる法を制定しました。これによって仮想通貨取引業者だけでなく、ネットを介して利益を挙げるネットオークション、民泊仲介業などの運営業者からの情報開示を求め税金逃れを防止する体制をとる構えを示しています。今月7日から全国の200人の税務職員を導入した専門プロジェクトチームを立ち上げ、重点的な収益調査と調査の進捗の共有など連帯性の取れた税金対策を進めていく考えです。
仮想通貨の確定申告状況
平成30年5月の国税庁調べによると、公的年金での所得以外は約1億円が計上されておりその内「仮想通貨」によって収益があった人は331人に登ったと概算されています。国の定める資金決算法にのっとって登録が完了している仮想通貨取引所は全部で19件あり、すべての業者でビットコインの取り扱いがあります。
参照:財務省
制度自体は国内の業者を対象で、海外の取引所との提携業務や匿名性の高い通貨に関しては規制するすべがないため、国税庁幹部は「いたちごっこは当分続くだろう。」と話しています。