ERC画像(Vecteezy)

仮想通貨のERCとは?

ERCといえば、ERC-20、ERC223、ERC721……と、イーサリアム関連のサイトや記事などでちょこちょこ出てくる用語ですが、どういう意味合いがあるのでしょう?トークン例を上げながらみていきます。

ERCって?

イーサリアム画像1 blockt
引用元:blockt

ERCとは、”Request for Comment”の略で、イーサリアム(Ethereum)に関する技術仕様の提案であり、イーサリアムのブロックチェーン上で作成、発行されるトークンの規格を決めているものです。また、ERCの後には数字が続きますが、その数字は、提案された順番を示しています。例えば、ERC-20は20番目に、ERC-223は223番目に提案された順番を表しています。

ERC規格のトークンはいくつかありますが、その中から代表的なトークンをいくつか取り上げます。

ERC-20

イーサリアム・プラットフォームで最も多く利用されている規格です。2015年11月19日に導入されました。当初はプログラマーの間にしか利用されないだろうと想定されていました。が、それまでの仮想通貨業界にはない、革新的で統一された規格だったため、一般にも広まりました。導入後は、新規トークン作成に発生する問題を解決し、現在は、ERC-20に準拠した数多くのトークンが作成、発行されています。

ERC-20ができるまで

ERC-20以前に発行されていたコイン同士には互換性がなく、トークンを利用する取引所やウォレット、アプリの作業が複雑で、新規のトークンの開発には、互換性をもたせるためにソフトウェアの変更レイヤーの追加などがかかせませんでした。

ERC-20の誕生後

2017年、ERC-20の規格のコードが統一されると、その使いやすさから瞬く間に広まっていきました。スタートアップ企業が資金を調達できる手段としているICO(イニシャル・コイン・オファリング/新規仮想通貨公開)は、まさにERC-20の恩恵を受けていると言えます。開発側は、新しいトークンを発行するたびにしなければならなかった仕様やルールの変更する必要がなくなりました。そしてICOにERC-20を導入すると、スタートアップ企業の数が急激に増え続けていきました

ERC-20トークンを作成するため要件

ERC-20では8つの機能と2つのイベントが実装されています。

    8つの機能

  • name(トークンの名前を返す関数)
  • symbol(トークンのシンボルを返す関数)
  • decimals(トークンが使用する小数点以下の桁数を返す関数)
  • totalSupply(トークンの総供給量を返す関数)
  • balanceOf(アカウントの残高を返す関数)
  • transfer(トークンを転送するための関数)
  • transferFrom(トークンを転送するための関数。転送先アドレスを指定する)
  • approve(引出限度額を設定する関数)
  • allowance(ownerのアドレスからspenderの引き出しが許可されている金額)
    2つのイベント

  • Transfer(トークンが転送されたら実施しなければならないイベント)
  • Approval(approve関数が呼ばれたら実施しなければならないイベント)

ERC-20はdAppsゲームにも活用

イーサエモン(etheremon.com)
引用元:etheremon.com

ERC-20は、FT(Fungible Token/ファンジブル トークン)と呼ばれています。誰が持っていても、そのトークンは同じ価値があり、二者間で「交換が可能」という意味の「代替可能トークン」なのです。コインと「固有」のものを交換することができます。この特徴を活かしてERC-20がゲーム内通貨として採用する、dAppsゲームが出てきました。有名なものとしてはEtheremon(イーサエモン)があります。

ERC-20の規格を採用しているトークン

Augur(オーガー)、OmiseGo(オミセゴー)、Ox(ゼロエックス)など他にも数えたらキリがないほどの量があります。

すぐれたERC-20にも欠点があり

これまで見てきましたように、ERC-20はすぐれた互換性のあるトークンとして汎用性の高いトークンですが、全く問題がないわけでもありませんでした。送金アドレスを間違ってしまうと、トークンが消失したり、凍結される可能性があり、つまり、『ゾンビトークン』を作ってします欠点があったのです。このERC-20による『アドレス間違いによる送金ミス』を補完するために作成されたトークンが次のERC-223です。

ERC-223

ERC-20が抱えていた脆弱性を解消するために作成されたトークンです。2017年3月5日に、Dexaranと名乗るユーザーが規格を開発しました。スマートコントラクトの「token Fallvack」を実装しています。間違ってトークンを送金してしまった場合に備えて、その送り主に自動的にトークンを戻す機能が追加されました。これにより、送金してしまった「ゾンビトークン」が生まれることがなくなりました。

ERC-223の規格を採用しているトークン

eDogeCoinがあります。

ERC-721

ERC-721はERC-20とは逆に、NFT(Non-fungible Token/ノンファンジブル トークン)と呼ばれ、「代替不可能トークン」です。2017年9月20日に誕生しました。ERC-20の後方互換性をキープしつつ、新しいタイプのトークンを扱うことを目的としました。所有者の名前など、メタデータを含ませることができるようになりました。アイテム(キャラや武器など)、ユーザーが育たり、ゲットした「固有の物」をトークン化して、所有者を明確にすることができるようになりました。

ERC-721の規格を採用しているトークン

くりぷ豚(公式サイト)
引用元:くりぷ豚公式サイト

この機能を取り込んでいるdAppsゲームは、「くりぷ豚」「Cryptkitties(クリプトキティーズ)」「my Crypto Heros(マイクリプトヒーローズ)」「ETH TOWN(イーサタウン)」などがあります。これらのゲームに出てくるアイテムはトークン化されているので、履歴が残ります。

ERC-1155

ENJIN(冷静と情熱のアイダ)
引用元:冷静と情熱のアイダ

ERC-20トークンとERC-721トークンの両方の性質をもつハイブリット型トークンです。代替可能と代替え不可能の両方の機能をもち、取り扱うこともできます。ゲームのキャラ(代替不可能)を、アイテム(代替可能)を持たせたまま送信する」といったことができるようになるという、ゲームの実用性を考慮して構築されました。また、トランザクションの回数を減らてコストを下げ、一度のトランザクションで複数のアイテムを一括で交換したり、複数のユーザーに複数のアイテムを一括で送信することができるようになりました。

ちなみに、このERC-1155を手がけたのはイーサリアムのブロックチェーン開発プラットフォームのENJINで、そのCTOであるWitek Radmiski氏です。彼はERC-721の提唱者でもあります。

ERC-1155の規格を採用しているトークン

ENJINが打ち出した、RPGゲームの「Forgotten Artifacts/フォーガトゥン・アーティファクト」です。2019年4月に公式サイトがアップデートされていて、作成中のゲームです。

ERCトークンを管理できるウォレット

MyEtherWallet(マイイーサーウォレット)…イーサリアムに特化した代表的なデスクトップウォレット。日本語に対応。
MetaMask(メタマスク)…Google Chromeのアプリで動作するウォレット。日本語非対応。
HB Wallet…マレーシアに本拠地を置くBacoor(バコオアー)株式会社が開発。

まとめ

ERC
引用元:コインテレグラフ

仮想通貨やトークンを構築しているブロックチェーン技術に何らかの問題点が見つかるたびに、世界中の有志によって改善され、さらに良い方向へと変更されていきました。ERCも「もっとテクノロジーをよくしていきたい」「より安全で利便性のあるものにしていきたい」という熱い思いのある人たちが提案し、打ち出した仕様書です。今後もERC-20、ERC223、ERC721、ERC-1155に続く新たなERCが生まれることが予想されます。

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