
最大手取引所バイナンスが発行するBNB(バイナンスコイン)
BNB(バイナンスコイン)は、仮想通貨取引所Binanceが発行するトークンです。
現行のトークンは、ERC20規格に準拠したイーサリアム・トークンとなっていますが、今後Binanceが独自に開発するブロックチェーン・プラットフォーム「Binance Chain」への移行が計画されています。
BNB基本情報
概要 | 仮想通貨取引所Binance が発行するトークン(呼称:バイナンスコイン・バイナンストークン) |
単位 | BNB |
発行開始 | 2017年7月17日 |
発行上限 | 2億枚(発行済み) |
時価総額 | 約$2,450,000,000 程度(時価総額7位) |
仮想通貨取引所Binanceの経緯
仮想通貨取引所Binance(2017年設立)は、ジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao)氏により設立されました。設立当初は香港を拠点としていましたが、2018年3月にマルタ共和国へ拠点を移しています。
2017年に設立されてから急速に認知度を高め、現在では世界有数の取引量を誇っています。
また、Binance CEOを務めるジャオ・チャンポン氏には、仮想通貨取引所OKCoinではCTO(最高技術責任者)を務めたという経歴があります。
BNBの特徴(Binanceで使用するメリット等)
Binanceにおける基軸通貨
BNBはBinanceでの仮想通貨取引における基軸通貨として利用されています。つまり、同取引所では、BNB建てで他の仮想通貨を購入(取引)できるということです。
ユーティリティ・トークン
BNBは仮想通貨取引所Binanceで利用されるユーティリティ・トークンです。
ユーティリティ・トークンとは
実用的な利用目的で発行されたトークン。対称的に、配当権を与える目的等で発行されたトークンをセキュリティ・トークンと呼ぶ。
Binanceでは、BNBで取引手数料を支払うことにより割引が適用されるという仕組みがあります。
割引手数料については、以下のように設定されています。
BNB発行からの年数 | 割引率 |
1年目(2018年) | 50% |
2年目(2019年) | 25% |
3年目(2020年) | 12.5% |
4年目(2021年) | 6.75% |
5年目(2022年) | 0% |
※上表のように、割引率は年々減少していき、5年目には割引が適用されなくなります。
Burn(破棄)による流通量の調整
BNBは、四半期ごとに発行元であるBinanceに買い戻され、買い戻されたBNBは破棄(Burn)される仕組みとなっています。
このBurnには、市場のBNB流通量を減少させ、その希少性を高める効果が期待されています。
つまり、定期的なBurnが、過度な暴落を抑え、価格調整につながることが期待されています。
また、BNBは、発行上限となる2億枚が既に発行されていますが、Burnが実施されることにより、最終的にはBNB数量を1億枚まで減らすことが目的とされているようです。
ローンチパッドで活用
Binanceでは、「ローンチパッド」と呼ばれるサービスが展開されています。
ローンチパッドとは
「BinanceがICOトークンの販売代理を行うというサービスの名称」及び「それに利用されるプラットフォームの名称」です。BinanceによりICOプロジェクトの審査が行われた後、そのICOトークンがBinanceで販売されることとなります。言い換えれば、「Binanceで行われるIEO」ということです。また、ローンチパッドで販売されたICOトークンは、Binanceへ上場することとなります。
ローンチパッドへの参加は、BNBの保有が必須となっています。
2019年3月から、ローンチパッドを利用したICOトークンの購入者の選定について、先着順から抽選に変更する方針が発表されました。BNB保有量に応じて抽選券を獲得でき、当選した場合は、保有しているBNBが口座から自動で差し引かれる仕組みとなっています。
※抽選期間中は希望する抽選券獲得枚数に応じたBNBを口座に保有し続けておく必要があります。
2017年にローンチパッドは終了し、2018年はローンチパッドが行われていませんでした。
しかし、2019年1月から再開が決定して以降、毎月ローンチパッドが実施されています。
時期 |
ICOプロジェクト名称 |
2017年8月 | ~同サービスのプラットフォームの開設~ |
2017年12月 | Bread (BRD) |
2017年12月 | Gifto (GTO) |
2019年1月 | BitTorrent (BTT) |
2019年2月 | Fetch AI (FET) |
2019年3月 | Celer Network |
2019年4月(抽選実施中) | Matic Network (MATIC) |
また、ローンチパッド再開後、Binanceからは「毎月1件ずつ新規プロジェクトのトークンセールを行う」という方針が示されています。
Binanceの新規上場銘柄への投票
Binanceでは、ユーザーからの投票により新規上場銘柄を決定するというイベントが開催されていました。
(※2018年9月以降、イベントの開催は確認されていません。)
その際、投票には手数料が発生し、その手数料の支払いにはBNBが利用されていました。
※投票手数料は0.1BNBという設定がなされていました。
BNBの将来性
ローンチパッドとBNB
Binanceでローンチパッドが開催された際、新規プロジェクトのトークンを取得するためには、BNBが必要となります。
過去の結果では、いずれの盛況な様子を見せ、ローンチパッドに対してユーザーの関心が高いと言える結果を残しています。
ローンチパッド開催銘柄 |
状況 |
BitTorrent (BTT) | 20分以内に完売 |
Fetch AI (FET) | 1分以内に完売 |
Matic Network (MATIC) | 20分以内に完売 |
対象となる銘柄はBinanceにおける「厳格な審査」のもと行うとされており、今後、毎月1件ずつの新規プロジェクトのトークンセールを行うことが明言されているため、継続的にIEO案件がBinanceから提供される可能性は高いと言えるでしょう。
BinanceとLibra Credit
Binance LabsとLibra Creditは提携を行い、仮想通貨を担保としたローンサービスを提供する計画を発表しています。これが実現すれば、BNB保有者は、BNBを担保に、仮想通貨または法定通貨の融資を受けることが可能になるとされています。
Binance Labsは、Binanceの投資部門を担っている企業。
Libra Creditは、イーサリアム・プラットフォームを利用した融資システムの開発プロジェクト名称及びその運営サイド。
Binanceの様々な企業への投資
Binanceは様々なブロックチェーン・プロジェクトに投資を行っています。
したがって、BinanceとLibra Creditのように、連携したサービスを提供する可能性もあるでしょう。
そうしたサービスの提供が実現されれば、BNBを利用したサービスとなる可能性も高くなります。
独自ブロックチェーン・プラットフォーム「Binance Chain」の開発
Binanceは、独自ブロックチェーン・プラットフォーム「Binance Chain」の開発を進めている。
また、現在のBNBはERC20規格に準拠したERCトークンとして流通されていますが、Binance Chainの正式なリリース後にBNBも同プラットフォームへ移行する方針が示されています。
さらに、同プラットフォーム上に分散型取引所「Binance DEX」を立ち上げる計画も公表されており、2019年2月にテスト版がリリースされました。
分散型取引所とは、ブロックチェーン技術を活用した管理者の存在しない取引所システムのことです。
従来の取引所は、顧客資産を取引所の運営元が管理する中央集権的な仕組みで成り立っていますが、分散型取引所では、ブロックチェーン技術を基盤として作られたシステムを他者との取引の際に利用だけであり、資産の管理は自身で行うこととなり、非中央集権的な取引所という認識がなされています。
こうした状況の中、BNBは Binance ChainやBinance DEXのGasとして利用される方針も示されています。
Gasとは
分散型システムの稼働にあたり必要となる燃料のような存在です。分散型システムでは、不特定多数のシステム支持者によって機能させるため、支持者に対する報酬として支払われるモノでもあります。
分散型システムの稼働にあたり必要となる燃料のような存在です。分散型システムでは、不特定多数のシステム支持者によって機能させるため、支持者に対する報酬として支払われるモノでもあります。