
ライトニングネットワーク
ペイメントチャネルでは、AさんとBさんの2者間での取引において、オフチェーンでの処理を利用することで、手数料を安くできたり、スケーラビリティ問題が出ないようにできました。
しかし、ペイメントチャネルは、2者間だけにしか対応できないので、他の人と取引を行なう場合には、それぞれの相手とチャネルを別途開く必要があり、これはこれで効率がよくありません。
そこで、直接繋がっていなくとも、間接的に繋がっていれば、同じように取引ができるような仕組みが考えられました。
それが、ライトニングネットワーク(Lightning Network)です。
AさんとBさんは、ペイメントチャネルで繋がっています。
BさんとCさんも、同じように繋がっています。
AさんとCさんは繋がっていませんが、新たにペイメントチャネルを開くのは手間がかかりますし、どんどんチャネルが増えていくと、またスケーラビリティ問題が発生してしまいます。
そこで、Bさんを経由して取引を行なおうというが、ライトニングネットワークになります。
2019年2月22日現在、32,000を超えるチャネルが開かれており、取引のデポジットは、合計で700BTCを超えています。
出典=https://p2sh.info/dashboard/db/lightning-network?orgId=1&from=now-1y&to=now
ライトニングネットワークのメリット
●送金速度が速くなる
→ビットコイン(Bitcoin)は、1回のブロック生成に10分ほどかかってしまいますが、ライトニングネットワークでは1秒立たずに終了します。
●送金手数料が安くできる
→ブロックチェーン外での取引(オフチェーン)を行なうことによって、手数料を安くすることが出来ます。
●1円以下のような小額の取引が可能
→手数料が安く生れば、少額の取引も行なうことができ、様々な場面で利用されるようになります。
●スケーラビリティ問題の克服
→オフチェーンでの処理が多くなり、トランザクションの数が減ることで、スケーラビリティ問題を克服できます。
ライトニングネットワークのデメリット
●セキュリティの問題
→ブロックチェーン上での取引(オンチェーン)の場合、メリットがないためハッキングの恐れはないが、ブロックチェーン外での取引(オフチェーン)となるため、セキュリティ対策が別途必要とななります。
●中継地点の数だけ手数料が必要
利用者が増えるにしたがって、中継地点(ノード)の数も膨大となり、中継点を通るたびに手数料が必要となります。その際の手数料は、個々に決めることが出来るため、手数料が高くなる可能性が否定できません。
●中央集権になる恐れがある
膨大な中継地点を狙って、銀行等の大手が入ってくると、分散型ではなく、中央集権的になってしまうかもしれません。
いずれにしましても、一部では運用が始まる段階となりました。
当面は、いろんな問題に直面するかとは思いますが、それぞれ確実に克服し、ライトニングネットワーク技術の確立を期待します。